堺市は、刃物や伝統産業をはじめとする地場産業や、古くから地域に根ざした中小企業・自営業者が多いまちです。経営者にとって相続は、個人の財産の問題であると同時に、事業をどう引き継ぐかという「事業承継」の問題でもあります。準備をしないまま相続が発生すると、事業用資産が分散したり、後継者が経営権を確保できなかったりするなど、事業の存続そのものに影響が及ぶことがあります。
本コラムでは、堺市の自営業者・中小企業経営者の方に向けて、相続と事業承継を同時に進めるうえでのポイントを弁護士が解説します。
経営者の相続が難しい理由
- 事業用資産と個人資産が混在している:自宅と工場・店舗が同一敷地にある、事業用の借入に個人保証が付いているなど、切り分けが難しいケースが多くあります。
- 自社株式の分散リスク:株式が複数の相続人に分散すると、後継者が経営に必要な議決権を確保できなくなるおそれがあります。
- 後継者以外の相続人との公平性:後継者が事業用資産・自社株式を承継する一方、他の相続人にどう配慮するかで意見が対立しやすくなります。
- 個人保証・担保の承継:経営者が金融機関に対して個人保証をしている場合、相続人がその地位を承継するかどうかも重要な検討事項です。
生前にできる事業承継対策
1. 遺言書の作成
自社株式や事業用不動産を後継者に集中して承継させたい場合、遺言書でその旨を明確にしておくことが有効です。ただし、他の相続人の遺留分を侵害しないよう、金額のバランスにも配慮した設計が必要です。
2. 生前贈与・種類株式の活用
自社株式を後継者に計画的に生前贈与する方法や、議決権に制限を設けた種類株式を活用する方法により、後継者への経営権の集中を図ることができます。
3. 遺留分に関する民法の特例(経営承継円滑化法)の活用
後継者に贈与・遺贈された自社株式について、他の相続人との合意のもとで遺留分算定の基礎財産から除外する、または評価額を固定するなどの特例を利用できる場合があります。将来の株価上昇による遺留分トラブルを防ぐ手段として検討する価値があります。
4. 個人保証の整理
経営者保証ガイドライン等を活用し、生前のうちに個人保証の解除・引継ぎ方針を金融機関と協議しておくことで、相続人の負担を軽減できます。
相続が発生してしまった場合の対応
生前対策がないまま相続が発生した場合は、まず自社株式・事業用資産を含めた相続財産の全体を確定させ、相続人全員での遺産分割協議を行う必要があります。後継者が自社株式を確実に承継できるよう、代償金の支払いなどによる調整を検討することが多くあります。事業の継続に緊急性がある場合は、早期に弁護士へご相談いただくことで、経営への影響を最小限に抑えられます。
堺市で事業承継・相続対策をお考えの経営者の方へ
Leapal法律事務所は、中小企業の紛争対応と遺言相続の両方を得意分野としており、事業承継と相続が絡む複雑な案件にも対応してまいりました。自社株式の承継設計、遺言書の作成、遺留分対策、相続発生後の遺産分割交渉まで、経営者の皆さまの状況に応じて一貫してサポートいたします。
「後継者に事業をスムーズに引き継ぎたい」「個人保証や自社株式の扱いが不安」といったお悩みがある堺市の経営者の方は、お早めにご相談ください。
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※本コラムは一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案については弁護士にご相談ください。







