「氏の変動とは?」
「氏の変更とは何が異なるのか?」
氏の変動とは、氏に関して、婚姻、離婚、養子縁組等の身分関係の変動に伴って、民法上の規定によって当然に氏が変更することをいう。
身分関係の変動を伴うことなく当事者の意思によって氏を変更する「氏の変更」とは異なります。
氏を変更する方法全般についてはこちらの記事を確認ください。
本記事では「氏の変動」について解説をさせて頂きます。
目次
氏の変動とは?
繰り返しになりますが、「氏の変動」とは、身分関係の変動に伴って、当然に氏が変更することを言います。
言い換えれば、親族関係の成立や解消の効果によって、当然に氏が変わることを意味します。
氏の変動の具体例についてご紹介させていただきます。
婚姻による氏の変動
夫婦の一方は、婚姻によって配偶者の氏に改めなければならないとされています(民法750条)
民法750条
離婚による氏の変動
婚姻によって氏を改めた者が、離婚をした場合、その者の氏は婚姻前の氏に戻ります。このことを「復氏」といいます。
民法767条
養子縁組による氏の変動
養子は、養子縁組によって、養親の氏を称しなければなりません(民法810条本文)
民法810条本文
氏の変動は氏の変更と何が異なるのか
繰り返しになりますが、「氏の変更」は、自らの意思によって氏を変更するものであり(一定の条件を満たす必要があります。)、身分関係の変動に伴って生じるものではありません。
改めて、「氏の変動」と「氏の変更」の定義を整理すると以下のとおりとなります。
POINT氏の変動:親族関係の成立や解消の効果によって氏が変わること
氏の変更:自らの意思によって氏を変更すること
最後に
以上のとおり、「氏の変動」は、親族関係の成立、解消の効果として生じる氏の変更です。氏には、家族単位を表す機能があるため、親族関係の成立や解消に伴って、法律上、当然に氏を変更することになっております。
当事務所では、氏の変更について詳しく解説をしております。「氏を自らの意思によって変更したい」と考えている方は、下記の記事を御覧頂けますと幸いです。
諦めていた「氏の変更」ができるかもしれません。